エッセンシャル・ディグニティー(Essential Dignity)

惑星が持つ本来の性質や「らしさ」あるいはその「質」を評価するための物差し。日本語では「本質的品位」と訳されることが多い。惑星が置かれているサインと、その度数によって決まる。

伝統的な体系では、エッセンシャル・ディグニティーは5つの階層に分類され、それぞれに点数が割り当てられている。最も強力な品位はドミサイル(サイン・ルーラー)であり、惑星が自ら支配するサインに位置する状態を指す(+5点)。これは「自分の城にいる主」に例えられ、その場所で全てを思い通りに差配し、満足して本領を発揮できる状態を意味する。次に強いのがイグザルテーション(キングダム)であり、王権や名誉ある立場を得ている状態を象徴する(+4点)。これは「他人の家で丁重に扱われる賓客」のような誇張された良さを持ち、特にコンテストや勝負事の問いではドミサイルを凌駕する強さを発揮することがある。

これらに続くのが、共通の性質を持つ友人や親類に囲まれているような安心感を与えるトリプリシティー(+3点)、軍隊の下士官や官舎に住む役人のように一定の限定的な権限を持つターム(バウンド)(+2点)、そして最も弱く、家の玄関先で雨風をしのいでいる程度の微々たる品位であるフェイス(デーカン)(+1点)である。これら5つの要素を特定の度数において計算し、合計点数が最も高い惑星を、その場所の勝利者であるアルムーテンと呼ぶ。

一方で、惑星がその本性を損なわれる状態をデビリティーと呼ぶ。自らのドミサイルの反対側に位置するデトリメント(-5点)は、その惑星らしさが著しく削がれ、本来の能力を適切に発揮できない不安定な状態を表す。また、イグザルテーションの反対側に位置するフォール(-4点)は、周囲から認められず見下されているような、実際よりも悪く評価される不遇な状態を象徴する。これらの強いデビリティーにある惑星は、たとえ本来の性質が吉星であっても、質問に対して悪意を持ったり有害な振る舞いをしたりする「マレフィック」として機能することがある。

さらに、ディグニティーもデビリティーも一切持たない状態をペレグリンと呼ぶ。これは「道しるべのない浮浪者」に例えられ、善悪どちらにも転じる可能性があるが、拠り所がないために悪へと傾きやすい不安定さを内包している。ただし、ホラリー占星術においては、これら品位の良し悪しが直ちに「悪い結果」を意味するわけではない。