コンバスト(Combust)

惑星が太陽と同じサインに位置し、かつ太陽の前後8.5度以内にある状態を指す。この状態は、惑星が持つ本来の力を太陽の強烈な熱と光によって奪われてしまう、最も深刻なアクシデンタル・デビリティーの一つとして定義されている。伝統的な解釈では、王である太陽に近づきすぎた家来が、王権を奪いに来た者として切り捨てられる、あるいは焼き尽くされる様子に喩えられてきた。

コンバストの範囲についてはソースによって多少の差異が見られるが、ホラリー占星術の一般的な判断では前後8.5度以内、あるいは太陽の両側15度に広がる影響圏である「アンダー・ザ・サンビーム」の半分にあたる領域として扱われることが多い。グイード・ボナタスの記述によれば、太陽に接近する際は15度前から影響が始まり、離れる際は12度でその影響から脱するとされており、惑星が太陽に向かって進んでいる(アプローチ)状態の方が、離れていく(セパレート)状態よりも被害は甚大であるとされる。特に月がコンバストの状態にあるときは、自らの光を持たないために極めて脆弱になり、物事を動かす力を完全に喪失した状態と見なされる。

一方で、コンバストには「光に隠される」という象徴的な意味もあり、これが実占上の判断を左右する場合がある。例えば「許可なく何かを行ってもバレないか?」という問いに対して表示星がコンバストであれば、誰の目にも触れずに目的を達せられるという肯定的な証拠として読み解くことが可能となる。医療占星術や死生に関わる問いにおいては、表示星がコンバストに向かう動きは病状の悪化や死の予兆となり得るが、既に太陽との合を終えて離れつつある場合は、最悪の危機を脱した回復の兆しと判断される。

この深刻な損傷を免れる例外的な条件は複数存在するが、最も分かりやすく容易に判断できるのはカジミである。太陽の前後16分以内という、太陽の心臓に位置する状態をカジミと呼び、この場所にある惑星は焼かれるどころか、王と一緒に椅子に座っているかのような最強の活力を得る。