伝統的占星術におけるアスペクトは、単なる惑星同士の角度ではなく「サイン同士の親和性を基礎とした結びつき」と定義される。アスペクトという単語は、ラテン語の aspicio(見る、凝視する)に由来している。したがって、アスペクトがある状態(60度・90度・120度・180度)とは、一方の惑星がもう一方の惑星の存在を「認識している」ことを意味する。逆に、アスペクトを持たない関係(30度・150度)はお互いに「見えない」状態にあり、これをアバーション(反感・嫌悪)と呼ぶ。
アスペクトの種類
伝統的に認められているのは、以下の4つの形である。コンジャンクション(0度)は、厳密にはアスペクト(サイン同士の関係)ではなく「惑星同士の結合」だが、機能が似ているためアスペクトと同列で扱われることがある。「接合」は「アスペクト+コンジャンクション」を意味する。
- セクスタイル(60度)
- スクエア(90度)
- トライン(120度)
- オポジション(180度)
マニリウスは、アスペクトを「一筆書きで円を1周して元の点に戻ることができ、360(度)と12(サイン)の両方を整数で割って、商が整数となるもの」と定義している。
- 6で割る(360÷6=60度、12÷6=2):セクスタイル、正六角形(ヘキサゴン)を作る
- 4で割る(360÷4=90度、12÷4=3):スクエア、正方形(テトラゴン)を作る
- 3で割る(360÷3=120度、12÷3=4):トライン、正三角形(トリアルゴン)を作る
- 2で割る(360÷2=180度、12÷2=6):オポジション、直線
72度(クインタイル)は、360 ÷ 5 = 72 だが、12 ÷ 5 は「2.4」で整数にならない。45度(セミスクエア)は、360 ÷ 8 = 45 だが、12 ÷ 8 は「1.5」で整数にならない。サインを正多角形できれいに結ぶことができないため、サイン同士の親和性が成立しない。30度(セミセクスタイル)は、計算上は合致するが、マニリウスは「あまりに近すぎて見えない(影響を与えない)」として、伝統的なアスペクトからは除外している。
アスペクトの3段階の観察
惑星同士の関係は、以下の順に深まっていく。
- サイン同士のアスペクト:惑星が入っているサイン同士が、60度・90度・120度・180度の関係にあるか
- 惑星同士のアスペクト:惑星が互いにオーブの中に入っているか
- 角度によるアスペクトの完成:実際に移動して、正確な角度で結びつくか
伝統的占星術では、まずサイン同士の関係から考慮を始めることが重要である。
アスペクトの役割と限界
アスペクトは主に「機会」や「タイミング」を示す。例えば、恋愛でアスペクトがあれば「会える」ことは示すが、「愛し合っているか」という内容(質)はアスペクトだけでは判断できず、リセプションを見る必要がある。正確な角度によるアスペクトの完成は、相談された事柄が「実行・成就」されることを示唆している。

