各惑星の周囲に広がっているとされるオーラや勢力圏のようなものであり、その影響力が及ぶ範囲を角度で表したものである。伝統的に認められている各惑星のオーブの半径は、太陽が15度、月が12度、土星と木星が9度、火星が8度、そして金星と水星が7度と定められている。
| 惑星 | オーブ(半径) |
|---|---|
| 土星 | 9度 |
| 木星 | 9度 |
| 火星 | 8度 |
| 太陽 | 15度 |
| 金星 | 7度 |
| 水星 | 7度 |
| 月 | 12度 |
これらの数値は、惑星が太陽に接近して見えなくなる、あるいは離れて見え始める現象に基づいて算出された歴史があり、明るい星よりも土星のような暗い星の方が広いオーブを持つのは、太陽の光に隠されやすい(早く見えなくなる)という観察結果を反映している。中世から17世紀頃にかけて、オーブの捉え方には変遷があり、ウィリアム・リリーのように前述したオーブを両側(直径)の合計値と解釈したり、16世紀のクロード・ダリオットのように前述したオーブのさらに半分を考慮する「モアイアティー」の概念を提唱したりする占星術師も存在したが、現代の伝統的占星術の実務では、前述した半径同士の合算が一般的である。
実占、特にホラリー占星術において、オーブは物事の成否やタイミングを測るために極めて重要である。惑星同士がサインを跨いでいたとしても、互いのオーブが届く範囲内にあればコンタクトが成立していると見なされるが、期間限定の質問など文脈によってはサインの境界を限界点として扱うこともある。また、太陽のオーブからは、その半分である8.5度以内のコンバストや、太陽に焼かれる影響下にあるアンダー・ザ・レイといった重要なアフリクトの概念も導き出されている。
なお、現代の占星家の中には、オーブは実務上の有用性に乏しいとする立場や、オーブの数値そのものよりも正確なアスペクトを重視する立場も存在するが、歴史的にはヘレニズム時代から惑星の動きを追跡する基礎として重宝されてきた。特にペルシャやアラビアの占星術師たちは、膨大なデータに基づきこれらのオーブの幅を厳密に定義し、チャート上の惑星がどの時点で実際に関わりを持つのかを判断する基準として活用していたのである。

