エッセンシャル・ディグニティーの1つとして数えられる重要な概念である。これは1つのサインを不均等に5分割した特定の領域を指し、それぞれの領域を土星、木星、火星、金星、水星のいずれかが支配している。太陽と月にはタームを支配する場所が与えられていないのが大きな特徴である。タームはバウンド(Bound)とも呼ばれる。

タームの品位は点数で表すと+2点と評価される。この強さを伝統的な占星家は様々な比喩で表現しており、ウィリアム・リリーは軍隊の下士官(伍長など)に例えている。これは、サインやイグザルテーションのロードのような士官ほどの栄光や権力はないが、ディグニティーを全く持たない一兵卒(ペレグリン)よりははるかにマシで、一定の存在感や責任能力を備えている状態を意味する。また、別の比喩では官舎に住む役人とも形容され、自らの家(ドミサイル)を持つ主人のような自由さはないものの、公的な枠組みの中で守られ、いくぶんかの不自由さを伴いながらも機能している状態を示す。
実占におけるタームの役割は多岐にわたるが、特に重要なのはリセプションの判断である。タームはトリプリシティーやフェイスと並んでレッサー・ディグニティーに分類される。単独のタームだけでは他の惑星を強力にレシーブして事象を成就させる力は弱いが、同じ惑星がタームとフェイス、あるいはタームとトリプリシティーといった形で2箇所以上の小さなディグニティーを同時に得ている場合、サインやイグザルテーションのロードによるレシーブと同等の強力な協力関係が成立すると見なされる。
また、ホラリー占星術において相手の容姿や性質を詳細に記述する際、タームのロードの状態が重視されることがある。例えば、1ハウスのカスプやそのロードが位置する場所のタームを観察することで、その人物が背が高いのか、あるいは特定の気質を帯びているのかといった身体的特徴を読み解く指標となる。タームの分割方法には歴史的にエジプシャン・タームやカルディアン・タームなど複数の体系が存在するが、現代の伝統的占星術の実務ではエジプシャン・タームが広く採用される傾向にある。

