4ハウス(4th house)

チャートの最も深い底に位置するのが4ハウスである。このハウスは北のアングル、あるいはラテン語で「天の極み(天底)」を意味する「Imum Coeli(IC)」と呼ばれ、専門的には「地の角」や大地の下を意味する「イポゲヨン」という呼称も持つ。歴史的な成立背景を辿ると、古代エジプトの思想では、西の7ハウスで死を迎えた魂が北の地底である4ハウスを通り、そこで整理と浄化、そして新しいエネルギーの充填を終えてから再び東の1ハウスから誕生するという、生命流転の物語が込められている。そのため、4ハウスは万物の始まりの場所であると同時に、物事の終焉やルーツを象徴する極めて重要な場所として定義されてきた。

伝統的な占星術において、4ハウスが司る象意は我々の存在の基盤に関わるものすべてに及ぶ。具体的には自分自身のルーツである祖先、家系、祖父母、そして特に父親を象徴する場所となる。また、土地そのものや地面の性質、その上に建つ家屋や構造物、庭の状態などもこのハウスの管轄である。さらに、地中に隠された財宝、鉱山、石油、井戸といった「地球の底から湧き出る利益」も4ハウスが担当しており、農業や農耕、土地の警備といった職業とも深い関連がある。

ホラリー占星術の実占において、4ハウスは多岐にわたる具体的な判断材料を提供する。土地や家の購入・賃貸に関する質問では、物件そのものの状態や住み心地を映し出す鏡となる。不動産売買の判断では、物件を示す4ハウスと価格を示す10ハウスのバランスを観察し、4ハウスが強く10ハウスが弱ければ、良い物件が安く手に入るという「売り急ぎ」の状態であると読み解くことができる。

また、4ハウスは「物事の結末(End of the matter)」を示す場所としても名高い。さらに、探し物の質問では「地中の埋蔵物」や「何かの下に覆われて隠れているもの」を指し、殺人事件のチャートでは死体の場所を特定する手がかりとなることもある。

惑星との関係性においては、カルディアン・オーダーに基づき、4番目の惑星である太陽が4ハウスを司るとされている。しかし、古代の詩人マニリウスはここを「土星の神殿」と呼び、死や大地、古い世襲財産との結びつきから、土星の役割も非常に大きい。父親の表示星として扱う際、昼のチャートでは太陽を、夜のチャートでは土星を父親のナチュラル・ルーラーとするのが伝統的な技法である。医療占星術の観点では、人体の中で胸、肺、肋膜、胃を支配しており、デカンビチュア(発病時)チャートにおいてここに凶星があることは、死との関連性から好ましくないと判断される。